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徒然/モバイル

脱ハンコ

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 行政改革の流れで、『脱ハンコ』 が話題になっておりますが、これは、形式だけの問題ではありません。 もちろん、改めて説明する必要がないことを分かった上で書いておりますが、 ハンコを押すという行為が問題なのではなく、『業務フローそのものを変更する』 ことが目的であります。

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 実際、古くは、オフィス業務のOA化に始まり、バッチ処理からオンラインリアルタイム処理に変化していく中で、情報処理産業の発展と共に、世の中の電子化は進展していきました。 その際、情報処理システムのデザインを行う技術者は、システムエンジニア(SE)と呼ばれるようになります。 業務に近い部分を担当するSEを 上流担当SE と呼び、プログラミングに近い部分を担当するSEを 下流のSE と呼んだ時代がありました。 ここで、電子化の命運を握るのが、上流SEの腕 ということになります。

 誤解を恐れず言うならば、「出来の悪い上流SE」は、現行業務をそのままコンピュータシステムに乗せようとします。 この時には、合理化、省力化という言葉を使って、素人ユーザーを煙に巻くことになります。

 一方、「出来の良い、ユーザーのメリットを最大化する上流SE」は、最初に現行業務の内容、JOBフローを分析することで、問題を洗い出して改善策を提示します。 これにより、コンピューターを導入しなくても既にメリットが発生するというスタイルです。 いわゆる、「業務改善・業務改革+電子化」というステップを踏むことになります。 つまり、今回、話題になっている 【脱ハンコ】 とは、このステップをシンボリックに表現していることになります。 くどいですが、「脱ハンコは、業務改革そのもの」を指しますから、若い知恵を導入して、ぜひ、革新的な改革を行って欲しいものです。

 例えば、稟議書なんかは、脱ハンコによって、いろいろな改革を期待できると思います。 私だったら、“決裁権限者が、自由に、いつでも承認できる”という決裁システムを作ってみたいです。 例えば、銀行の稟議書だったら・・・

 担当者の半沢さんが起案した稟議書を決裁用スペースにポストしたとしましょう。 この時、中野渡頭取が最初に決裁OKの処理をしてしまったら、紀本常務や、大和田取締役は、あわてて承認するはずです。 結局、下の担当者が決裁に時間を要する理由は、上司に質問された時に備えてディフェンスを考えるからであります。先に、上司がOKしている場合は、時間をかけていたら、逆に、「君は反対なの?」と質問されて、逆に困ることになります。

 実際、業務連絡だって、メールが出現する前までは、下から上へ、順番に伝達していたはずです。 逆に、重要な情報に関しては、上から下へ順番に伝える作業をしていたはずです。この時、この時間差が権力になります。部長は課長が知らないことを知っている、あるいは先に知っている。課長が知っていることを主任は知らない。そこに生きがいを感じる管理職も存在しております。まさに、 ハンコを押すだけの上司・・・。 きっと、こういう人は、リモート時代になっても、ハンコを押すために出社することに生きがいを感じているから、脱ハンコは困るのでしょう・・・。 そして、電子メールの出現により、CC、BCCを活用した同報通信という情報共有により、そのくだらない利権構造は壊れてしまいました。

 脱ハンコは、形式だけの問題ではなく、業務改革、意識改革をシンボリックに表現している言葉であります。

 緊縛の世界。
 縄で縛ることで女性を酔わせると考えるのが普通の人。 それに対して、脳を愛撫することで、最初に女性を酔わせた後に、縄をかけるのが上級の縄使いだそうです。 同じことです、きっと。


追伸)
 ちなみに、フレックスタイムなのに、私が関係する会社のひとつには、今でも、タイムカードがあります。 これは、スタッフの希望によって置いてあるもので、カードを差し込んで、ガチャっと操作するやつです・・・。もちろん、給与計算には必要ないものなのですが・・・。
 ご本人曰く、「出勤した時に、ガチャっとやらないと、気合が入らないのですよ!」、これが設置してある理由。 出社したら、「よし、がんばるぞ!」でガチャっ。 帰宅する時には、「おつかれさま!」で、ガチャっ! だそうです。 きっと、話題になっている婚姻届けのハンコを残したいとか、住宅購入の契約書には捺印したいとか、同じような理由なんでしょうね。


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