魔悪苦ノベルズ・・・若者世代のWILLは・・・。
その日、都内港区のカフェ『スタンバイコーヒー』 のテラス席で、テーブルを囲んでいたのは、令和元年4月に新社会人になった22歳~23歳の男女合計4名。 それぞれ、大手広告代理店、大手音楽事務所、霞が関の官庁、外資系投資銀行に籍を置いている若者世代です。 彼らは、文京区にある某国立大学の同窓生。 この日は、久しぶりの再会でした。 この後、日が落ちるのを待って、これから合流するメンバーと一緒に、麻布十番のダイニングカフェに繰り出すところです。
この日の話題は、社会人になって改めて痛感している わが国日本の人口問題。 具体的には、社会保障問題がメインとなっていました。 年金問題、医療保険問題に代表される人口構成のいびつさに起因する問題は、確実に若者世代の負担になっております。
例えば、医療費の個人負担問題。若者世代が3割負担である一方、高齢者のそれは1割負担。 今後、負担率を上げようという議論があるとはいえ、それがどうなるかは分からない。所詮、国政選挙の投票率において、高齢世代のそれが若者世代のそれを大きく上回っている以上、政権与党が若者世代のための施策を立案し、実行するとは考えられない。仮に負担率を上げたとしても、せいぜい、2割負担が良いところだとされております。
豪華クルーズ船のゲストの大部分をシニア層、高齢者層が占める中、若者世代は、不安定な身分に甘んじる中で、日々の生活を送っています。 とにかく、若者世代は生まれてから一度も、右肩上がりの経済成長を経験していないのです。一方で、マネージメント層は、かつての 強い日本の幻想を 今でも引きずっています。 もはや、若者世代がかかえる不満は、閉塞感という表現を通り越して、まさに、爆発寸前になっています。
とにかく、自分たちの頭の上、肩の上、背中の上に、重い荷物として存在している『年上世代』は、まさに、“消えてなくなってほしい存在” そのものになっていました。 カフェのテーブルを囲む4人は、半分冗談、半分本音の話として、こんな話をしていました。
「神風が吹いて、一瞬で、人口ピラミッドを最適化してくれないかな」
・・・と。
そんな時、インターネット放送が、速報として、『新型コロナ専門家会議の記者会見』 の様子をLIVE放送し始めました。
ひととおり説明を終えた専門家会議メンバーは、最後に、こう付け加えました。
若者は感染しても症状が軽い人が多く、感染に気づかないまま、重症化しやすい高齢者らに感染させている可能性がああります。北海道でも、都市部の感染リスクの高い場所に集まった若者が、地方に移動し全域に感染が拡大したと分析されております。
専門家会議としては、現時点で適切な行動へ切り替えれば、新たな感染者数は減少していくと見込んでおります。そのようなわけで、 全国の若者の皆さんへお願いいたします。 人が集まる風通しの悪い場所を避けるだけで、多くの人々の重症化を食い止め、命を救うことができます。 10代~30代の若者の皆様は、ぜひ、ここは不要不急の外出を控え、高齢者層などへの感染防止に協力してください。
・・・・・
この記者会見を聞いていた若者達は、誰ということもなく、日本全国で同じような つぶやきを発信し始めました。
そっか、俺たちが出歩けば、見えない感染が広がるわけだ。
それって、若い世代にとっては、重症化しないものらしいね。
俺たちが出歩けば、中年、高齢層にとっては命の危険がある感染が広がる可能性があるわけだ。
そうすると、人口ピラミッドが修正される?
そうなれば、年金問題、医療保険問題は解決する?
背負うものが軽くなるわけだ。
自分たちも車を買ったり、家を買ったりできるかもしれない
あんなくだらない国会や、予算委員会を見せられることもなくなる
そうだよね、昔は、50代、60代で死んでたんだよね。
そうだよね。
年を取ったら順番に死んでたんだよね。
それが自然の摂理。
俺たち、私たちが街中を歩き回れば、それが感染して・・・
未必の故意になる? そんな判例はないよな・・・。
殺人の嫌疑? そんな判例はないよな・・・
藁人形で殺人罪に問われた例は、たぶん、無い・・・。
どうせ社会問題になる頃には、検察官も裁判官も世代交代している。
病死は病死。
若者たちが生成した ハッシュタグがトレンド上位を占める中、同じような つぶやき と それにたいする 「いいね」 が拡大した頃、 多くの若者世代が、ひとり、またひとりと、街中に飛び出していったのです。
それは意思を持ったゾンビ集団みたいに・・・。
マスク?
もちろん、そんなものは身に着けてなんかいません。
若者世代のグループは、ターゲット世代の大人を見つけると、自然に近づいて行きます。そこには、大人を中心点とするいくつもの人の輪が生成されていきました。

(C)FNN
・・・・・
・・・・・
かつて、コロナウィルスという新型肺炎が流行した時期がありました。 それは、終息までに3年の月日を要しましたが、結局、最後に解決へと導いたのは、世代交代した若い政治家と科学者、官僚たちでした。
きれいに整形された人口ピラミッドは、まさに、若者世代が自分たちで作り上げた社会を映しておりました。
by 佐藤魔悪苦
おわり
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この日の話題は、社会人になって改めて痛感している わが国日本の人口問題。 具体的には、社会保障問題がメインとなっていました。 年金問題、医療保険問題に代表される人口構成のいびつさに起因する問題は、確実に若者世代の負担になっております。
例えば、医療費の個人負担問題。若者世代が3割負担である一方、高齢者のそれは1割負担。 今後、負担率を上げようという議論があるとはいえ、それがどうなるかは分からない。所詮、国政選挙の投票率において、高齢世代のそれが若者世代のそれを大きく上回っている以上、政権与党が若者世代のための施策を立案し、実行するとは考えられない。仮に負担率を上げたとしても、せいぜい、2割負担が良いところだとされております。
豪華クルーズ船のゲストの大部分をシニア層、高齢者層が占める中、若者世代は、不安定な身分に甘んじる中で、日々の生活を送っています。 とにかく、若者世代は生まれてから一度も、右肩上がりの経済成長を経験していないのです。一方で、マネージメント層は、かつての 強い日本の幻想を 今でも引きずっています。 もはや、若者世代がかかえる不満は、閉塞感という表現を通り越して、まさに、爆発寸前になっています。
とにかく、自分たちの頭の上、肩の上、背中の上に、重い荷物として存在している『年上世代』は、まさに、“消えてなくなってほしい存在” そのものになっていました。 カフェのテーブルを囲む4人は、半分冗談、半分本音の話として、こんな話をしていました。
「神風が吹いて、一瞬で、人口ピラミッドを最適化してくれないかな」
・・・と。
そんな時、インターネット放送が、速報として、『新型コロナ専門家会議の記者会見』 の様子をLIVE放送し始めました。
ひととおり説明を終えた専門家会議メンバーは、最後に、こう付け加えました。
若者は感染しても症状が軽い人が多く、感染に気づかないまま、重症化しやすい高齢者らに感染させている可能性がああります。北海道でも、都市部の感染リスクの高い場所に集まった若者が、地方に移動し全域に感染が拡大したと分析されております。
専門家会議としては、現時点で適切な行動へ切り替えれば、新たな感染者数は減少していくと見込んでおります。そのようなわけで、 全国の若者の皆さんへお願いいたします。 人が集まる風通しの悪い場所を避けるだけで、多くの人々の重症化を食い止め、命を救うことができます。 10代~30代の若者の皆様は、ぜひ、ここは不要不急の外出を控え、高齢者層などへの感染防止に協力してください。
・・・・・
この記者会見を聞いていた若者達は、誰ということもなく、日本全国で同じような つぶやきを発信し始めました。
そっか、俺たちが出歩けば、見えない感染が広がるわけだ。
それって、若い世代にとっては、重症化しないものらしいね。
俺たちが出歩けば、中年、高齢層にとっては命の危険がある感染が広がる可能性があるわけだ。
そうすると、人口ピラミッドが修正される?
そうなれば、年金問題、医療保険問題は解決する?
背負うものが軽くなるわけだ。
自分たちも車を買ったり、家を買ったりできるかもしれない
あんなくだらない国会や、予算委員会を見せられることもなくなる
そうだよね、昔は、50代、60代で死んでたんだよね。
そうだよね。
年を取ったら順番に死んでたんだよね。
それが自然の摂理。
俺たち、私たちが街中を歩き回れば、それが感染して・・・
未必の故意になる? そんな判例はないよな・・・。
殺人の嫌疑? そんな判例はないよな・・・
藁人形で殺人罪に問われた例は、たぶん、無い・・・。
どうせ社会問題になる頃には、検察官も裁判官も世代交代している。
病死は病死。
若者たちが生成した ハッシュタグがトレンド上位を占める中、同じような つぶやき と それにたいする 「いいね」 が拡大した頃、 多くの若者世代が、ひとり、またひとりと、街中に飛び出していったのです。
それは意思を持ったゾンビ集団みたいに・・・。
マスク?
もちろん、そんなものは身に着けてなんかいません。
若者世代のグループは、ターゲット世代の大人を見つけると、自然に近づいて行きます。そこには、大人を中心点とするいくつもの人の輪が生成されていきました。

(C)FNN
・・・・・
・・・・・
かつて、コロナウィルスという新型肺炎が流行した時期がありました。 それは、終息までに3年の月日を要しましたが、結局、最後に解決へと導いたのは、世代交代した若い政治家と科学者、官僚たちでした。
きれいに整形された人口ピラミッドは、まさに、若者世代が自分たちで作り上げた社会を映しておりました。
by 佐藤魔悪苦
おわり
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