片や異例の逮捕、片や収監中の先行無修正写真集発売"(-""-)"

先行発売
昨日の報道、『AVプロダクションの元社長他3名逮捕、派遣法違反』。 想定の範囲内とは言え、業界関係者を中心として波紋が広がっています。
一部メディアを含んで、誤解や憶測で噂やデマが飛び交うことは良くあることですが、今回も同じでした。某NPO法人が訴えている『一部プロダクションによる、所属女性へのAV出演強要問題』と、今回のことが一緒になっています。 今回の逮捕容疑は、その種のものではありません。 無理やりAV出演させられたとか、契約終了を持ちだしたら脅されたとか、その種の問題ではなく、簡単に言ってしまえば、
【所属女性をAV撮影現場に派遣して本番行為を行わせた】
ことが逮捕容疑なのです。 出演に至る経緯がどうだとか、嫌がったのか違うのかとか、辞めさせてくれなかったのではないかとか、そういうことは関係ないのです。あくまでも、
【契約している所属女性を、撮影現場に派遣して、チ〇コを挿入して、そのシーンを撮影させた】
ことが要件なんです。
ここまで、聞けば、大いに疑問を持つ方が多いはずです。 そうなんです、これを言い出したら、現時点でほとんどのAV作品が該当するわけですし、以前から、あります。それが、なぜ、昨日? という話。 もちろん、それが元々問題をはらんでいることは法律上も明らかだし、判例も出ていることは昨日の記事で紹介しました。
実際、モザイクを確認するための 通称「ビデ倫」に注目しても、少なくとも、昔から、撮影現場では実際に挿入行為が行われていたことは知っているわけです。そういう意味でも、なぜ、わざわざ昨日?となります。 もっとも、ビデ倫は、倫理を問題にするのであって、違法性は問題にしないというのであれば、話は別ですが、それでは、舛添都知事の逆バージョンになってしまいますw。
例えば、フリーセックス倶楽部や、セックスライフ向上委員会でも教材動画を撮影する際に、AVプロダクションにキャスティングをお願いすることがあります。 実際、昨日の報道にかかる大手事務所からも多くのモデルさんが出演してくれています(もっぱら前戯作品なので、今回の要件には該当しませんがw)。 実際、ここの事務所はモデルさんを大切に扱うし、作品内容についても、とても厳しく審査されます。実際、セックスライフ向上委員会のある教材ビデオの企画をした時にも、最終的には、法律的にギリギリかも知れないということで撮影を断念したこともあります。
確かに、この事務所に所属していた女性モデルが、出演を強要されたという理由で、前述の弁護士が主催するNPO法人に駆け込んだというニュースは流れていました。しかし、それは、相当数の出演を終えた後の話でしたし、楽しそうに現場で過ごしていたという共演モデルの証言もたくさんあります。 同じくツィッター上に見る証言によると、少なくとも、新しいボーイフレンドが生まれるまでは、そうだったとか。 もっとも、実際、このような 『出演を強要された、辞めようとしたら脅された』 として、本人が警察に駆け込んだことから、今回の逮捕劇につながっていることは事実です。しかし、逮捕容疑は、恐喝・強要ではなく、現場に派遣したチン〇を挿入させて撮影したことです。とりあえず、上げた拳を下すしかなかったのか、身柄を取って厳しく取り調べすれば、女性の訴えを認めると考えたのか・・・、何とも、疑問なわけです。
結局、今回の逮捕容疑について、業界として真正面から対応するとなれば、それこそ本気で組織として対策を講じる以外、ありません。 実際、代表的な料金表は、前戯契約/疑似本番契約/本番契約 と3区分されています。つまり、現時点では、挿入して撮影=違法という認識はないということですから・・・。 視聴者も同じ。例えば、良くありがちな “芸能人がAVデビューする” というバージョン。 多くの場合、デビュー作は疑似本番です。すると、一斉に、視聴者からクレームがあがります。 「なんだ、疑似じゃん!」、「入れてないじゃん!」・・。つまり、ここでも、本番行為が行われていることは共通認識であります。
歴史を遡れば、それは、規制緩和の歴史です。
昭和50年代、アンダーヘアーが見えるなんて、とんでもないことでした。白いパンティーから透けて見えるのもNGです。当時の写真をみると、股間は、その部分だけ黒塗りされていました。 その後、ボカシやモザイクに変化する中、 ヘアが下着から透けてみえる写真が出てきます。男子学生にとっては、十分に、ドキドキするものでした。 その後、一部の映画監督や映像関係者と当局による、公然わいせつ闘争が始まります。 わいせつな写真や映像を制作して提供したとして逮捕者も出ました。そのような中で、アンダーヘアが解禁となりました。 宮沢りえのヘアーヌードが話題になる中、一斉に、有名AV女優や、ポルノ女優、芸能人のヘアが解禁されました。
さらには、愛のコリーダという映画では、初めて、無修正の映画が国内で上映されました。 映画の世界では、アダルトビデオが誕生する前は、ポルノ映画、ピンク映画が唯一のセックスを描写する動画でした。そこでは、当然のように、「セックスを演じていた」だけで、実際に本番行為を行ってはいません。それが、前述の愛のコリーダで、主演女優が実際に挿入して撮影したとして、これが事件になりました。 以降、彼女は、「本番女優」と呼ばれました。
さて、現代。 本番しないAV女優の方が、むしろ、ファンの非難対象になります。 それだけ、取り巻く環境が変わったということです。 話が長くなりましたが、そのような時代背景を踏まえれば、今回の逮捕劇により、 アダルトビデオの世界は、ロマンポルノの時代まで戻らなければならないということになります。 昭和の香り漂うあの時代にです。
一方、海外サイトからは、無修正動画がインターネットを介して大量に配信されてきます。
こうなると、国内作品については、ドラマティックに魅力的な女性以外は、国内の当該市場では需要がないということになりかねません。とても手が届かないような女性がセックスシーンを演じている・・・、本番行為は禁止で、さらにモザイクがあるから、そこにしか価値がなくなるかもしれません。
さらに、海外発の無修正動画サイトにも規制緩和の歴史があります。 このタイプの動画サイトがスタートした頃は、ほとんどが、ゴム本番でした。あるいは違法に流出した国内の黎明期のアダルトビデオなどでした。時々、容姿的には???といわれる女性モデルが生本番&外出しをしてみせて、容姿のマイナス分を補うものがありました。 しかし、現在はどうですか? 高画質映像のもと、生挿入&中出しが当たり前になっています(生挿入&疑似中出しを含みます)。 この先、変化しようがない位、振り切れてしまっています。
モデル女性のレベルに大きな差異はないとしても、 黒船は『無修正、生挿入、中出し』 で、倭の国の人民は『竹やり』 という対比構図。 ここ数日、竹やりの国では、逮捕者が出た事務所に所属するモデル女性がツィッターで本音を訴えています。 いずれも、事務所や経営者、スタッフに感謝するものばかり。 もちろん、そのような行為を批判する意見も見ることができます。しかし、私としては、少なくとも、身体を張って裸の仕事をしている女性たちの言葉には嘘はないと感じています。 この世界にも、TPPが必要になるかもしれません・・・。
今後の動向を注視しながら、ここでも、1億総活躍社会が実現されることを願っています。
PS)
都内で、モザイクの向こうで挿入が行われたことが原因で逮捕者が出た頃、海外発としては、静岡の塀の中で刑期を過ごしている元芸能人女性の無修正・初裏写真集がリリースされたそうです・・・。いやはや、何とも不思議なのはリアル社会。