フィクション? 東京都知事選挙観戦記(*^_^*)
★東京都知事選挙観戦記 ~フィクショ~ン?(*^_^*)~
※2月のピロートーク掲載予定記事ですが、先行掲載させていただきました。
2014年東京都知事選挙は間もなく第四コーナーに差し掛かりつつあります。最後の日曜日となった2月2日(日)夕方のニュース報道からひとつの変化を感じています。TVでオンエアされる選挙報道映像において細川・小泉のW元首相の映像が音声と共に映し出されたことです。告示以来、徹底して都知事選挙に関する報道を控えて来た大手メディアにとっては明らかな変化でした。これはメディアとしての生存本能かもしれません。
当初、今回の都知事選挙は自民・公明(あえて政府・与党と呼んでもよいのでしょう)が推薦する舛添候補が圧勝する予定でした。少なくとも、“老人よ大志を抱け”の小泉氏が応援する細川氏が立候補するまでは。そして、ここから政府・与党と、そこから繋がる利権に群がる大手メディアや一部団体による情報操作が始まりました。
最初は大手新聞3紙共同による選挙動向調査なるものが公開されました。これは告示と前後した時期に実施されたとされます。もちろん、舛添候補圧勝です。日本人の特性として、「勝ち馬に乗る」、あるいは「どうせ勝負がついているなら、わざわざ投票する必要もないか」という心理を意識したものであることは明らかです。投票率が低ければ組織票をベースとする舛添候補が圧勝することは明らかです。また、投票する人も、どうせ投票するなら自分の票を死票にはしたくないから勝ちそうな候補に投票する、そういうものです。この時、大手メディアは都知事選挙の報道を控えるようになります。実際、告示後の5日間程、注意していたがニュースで都知事選挙を取り上げるシーンはほとんどありませんでした。以前、森元首相が「若い人には(投票に行かず)寝ていて欲しい」と発言して問題になったことがありますが、これは正直な発言です。ちなみに、大手新聞3社共同による調査という行為自体が異常です。聞いたことがありません。
さらに、“都知事選挙を加熱させたくない、いや冷却したい”という目的のための情報操作が続きます。メディア各社には政府関連機関からご丁寧に文書によって報道規制(建前は要望書ですが)が行われます。細川・小泉両氏の映像は使わない、音声はご法度・・などなど。さらには、原発廃止を訴える大学教授は、原発の話題を持ち出すなら出演はお断りするとNHKから警告され、結果、NHKへの出演を拒否される始末。
もちろん、原発の話題を報道することはNG中のNGです。多くの有権者が気が付いていることですが、今回の東京都知事選挙において主要政策については正直、誰が当選してもその実行内容には大きな違いはありません。誰だって、2020年東京オリンピック・パラリンピックは成功させようとするし、待機児童減少のために手を打つでしょう。高齢化問題は解決しなければならないし、防災・減災対策、経済活性化に取り組むことは当たり前です。大きな違い、決定的な違いは、現在ほとんど稼働していない原発(現在、既に脱原発状態)を次々に再稼働させるか、今の状態のままゼロにするかという判断を迫る点だけなのです。これを、安倍VS小泉という図式で見るかどうかは別として、ここだけが明確な争点であることは明らかです。それは舛添圧勝でなければ困る方々にとっては問題ことです。争点そのものをマスクしたいわけです。
ネガティブキャンペーンについてもそれなり行われました。最初のネタは20年前の佐川急便事件。猪瀬前東京都知事が5000万円貰って辞職したのに1億円の細川氏が立候補するのは納得できないというものでした。しかし、この点にについては当時、佐川急便事件を追求した元自民党衆議院議員が「あれは政権復帰を狙う自民党が行ったでっち上げだ」と暴露したことで一気に収束してしまいました。それ以降、このネタはおろか細川氏に関するネガティブキャンペーンは行われていません。逆に、時期を同じくして舛添候補に関する「政党助成金など2億5千万円不正流用事案」が浮上します。しかし、この話題については、大手メディアは全く報道していません。ネットユーザーでない層の中には、この話題そのものを知らない方々も多数存在しています。もちろん遊説中に発した多くの失言についても蓋をするだけです。
最後の日曜日を前にして、再び大手メディアの投票動向調査が発表されました。ここでも、“舛添候補圧勝”でした。しかし、この時点で、多くの有権者が違和感を感じていました。それは例えば選挙の街宣車の周囲の光景にも見て取れます。舛添候補の演説を聞く有権者の数、状態と細川候補のそれは全く違うのです。明らかに後者の方が人数も多いし真剣に聞いている人が集まっています。その傾向は宇都宮候補と舛添候補の対比でも見てとれます。大手メディアが報道しないからその情報をインターネット上に求めると、その傾向はもっと明らかです。「高齢者はネットを使わないから」という反論があるでしょう。しかし、街宣車の周りに集まって真剣に演説を聞いているのは中高年と高齢者なのです。その実態は、複数の場所で私は何度も見ました。この時点で、“細川1位、舛添2位”という調査結果を発表したのは自民党が行った投票動向調査でした。これは、いわゆる組織引き締めのための数字だと考えられますが、まんざら、そうでもないのではないかと感じるような街頭の状況でした。
この頃から、「報道されている投票結果予想は本当なのか?」という発言が、あちらこちらで聞かれるようになります。そんな中で、2月2日の日曜日を迎えました。この日は、歩行者天国が行われる銀座4丁目交差点に主要候補が集まるということで注目されていました。実際、午前中から宇都宮候補、田母神候補などが選挙活動を行いました。14時からは安倍首相と公明党党首が舛添候補の応援演説を行い、15時30分からは細川・小泉氏による演説が予定されていました。私は、その日、早目にジムワークを終わらせ、13:59分に銀座に到着しました。既に多くの有権者が集まっていました。
この日の様子は多くの方が発言しているので、ここでの記載は省略しますが、明らかに安倍首相の求心力が落ちていることを実感しました。もっとも、彼の演説に力が入っていない理由は、「本当は舛添氏を応援したいわけじゃない」という本音があったからかもしれません。一国の総理大臣がライブで演説しているのに、多くの方々は、ただの通行人 になっていたのですから。
さて、当日夕方のニュース。久しぶりに東京都知事選挙の報道がオンエアされました。「主要候補が最後の日曜日に支援を訴えました」という内容です。この時、冒頭で書いたように、初めて、主要候補の映像と音声が流れたわけです。さらに、舛添氏に関しては安倍首相と公明党党首の応援演説の様子が、細川候補については小泉元首相の様子が同時にオンエアされました。
ただし、この日のオンエアにも、情報操作が認められましたが・・・・(笑)。その内容は、次のとおりです。当日の私の音声メモから。
<引用の開始>
2月2日(日)夕方の某キー局のニュースで都知事選挙の様子が報道されていました。それは銀座四丁目の街宣場面です。「午後2時頃の銀座四丁目の様子です」としてヘリからの空撮で多くの聴衆を映し出しました。その後、舛添候補と党首2名の3ショットがオンエアされました。
私が銀座に到着したのは13:59。私の記憶と聴覚に間違いがなければ、その時間、ヘリは飛んでいませんでした(間違っていたらゴメンナサイ)。私が複数のヘリの音を聞いたのは、15:35~15:45の頃です。ちょうど、次の候補の演説が始まった頃でした。
「ヘリの音かうるさいくらいだな、演説が聞こえないな」と感じたからよく覚えています。てっきり、妨害かと思ったくらですから(笑)。実際、その時間帯の聴衆は、14時のそれより多かったですから、映像としてはよりインパクトがあったと思います。
そのことを、あーだこーだと言い気はないのですが、事実関係として疑問に思ったので、記録しておくことにしました。そうそう、初めて、「組織の動員」を目の当たりにしました。私のとなりに中年男女の6人組がいました。舛添候補の演説が終わると、ひとりの男性が一言。
「おつかれさまでした」「もう帰ってもいいんですよね」・・・。このグループは14時からの約1時間強、選挙とは関係ない話で盛り上がっていました。舛添候補スタッフが差し出すチラシにも、「あ、要らない、要らない」。これでも、6票なんですよね。組織票とはそういうものです。
<引用の終わり>
さて、この記事の冒頭、「メディアの生存本能」と申しあげました。それは、さすがに現時点に至って、「舛添圧勝」という情報を流し続けることには無理があるということで微妙にスタンスを変えているのではないでしょうか。この文章はフィクションですから(笑)、ここからはかなり筆者の主観が入ってまいります。ちなみに、ここまでは、事実のみを淡々と書いて来ました。生存本能とはすなわち、「メディアは公平に情報を発信しておりました」という逃げ道を用意し始めたということです。
実際、日曜日の夕方のニュースでは解説員が、「現時点で舛添候補がリードしていることは報道されているとおりでしょう。しかし、まだ一週間ありますから、この後、どう転ぶか分かりません」と付け加えました。これが生存本能です。
動員された組織票によって組織の意向に従って投票する一票が一票なら、考えに考え抜いて投票した個人の一票も一票です。当たり前のことですが、大切なことです。どうせ使うなら、インパクトのある一票にしたいと考えるのが普通の発想なのだと思います。
それにしても、選挙活動が始まると同時に情報発信を抑えると言う報道姿勢はどうなのでしょうか。有権者はむしろ、告示以降は選挙の話題を多く取り上げて欲しいと考えているのではないでしょうか。芸能人の結婚やスキャンダルを伝える時間があるなら、もっと、選挙の話題を、投票判断に使える話題を取り上げて欲しいと考えます。事実を報道するだけがメディアの仕事ではなく、意見を言っても良いはずです。実際、米国のメディアなんかは、明確に旗印を示しています。
そう考えると、インターネット選挙が解禁されていて良かったですよね。従来型の選挙だったら、多くの有権者は情報を得る手段さえ持っていなかったことになります。おかげで、自分から動けば、いろいろな事実を知ることができます。
2020年東京オリンピック・パラリンピックを招致するためのプレゼン資料の中には、「東京は原発ゼロのエネルギーによってオリンピック・パラリンピックを成功させます」と書いてあります。この時の招致チームのリーダーは森元首相です。ご存じのように、細川氏が原発ゼロでの開催を発言した時に、「原発無しでの運営なんかできるはずがない」と発言しました。その後、過去の映像とともに、最初の発言が報道され、矛盾を指摘されると、それ以降、「原発無しでのオリンピック・パラリンピックの開催は無理だ」という発言はしなくなりました。どうやら、ご自身の発言を思い出したらしいのです(笑)。
原発推進派の候補を応援する議員が、こんな発言をしました。「原発のゴミは問題だという人がいるが、2000年、3000年経過すれば、確実に放射能は減っていくんです。だから、大丈夫なんです」と。しかし、私は単純に疑問を持ちます。2000年後には、他のエネルギーが実用化されているはずだと・・・(*^_^*)。
さらに、脱原発(本来、そんな甘いものではなく、命の選択だと思うのだが)を訴える宇都宮候補と細川候補で票が割れることを心配する向きもあるが、それは不要なものだと考えます。選挙終盤、情勢が決まってくれば、「どうせ投票するなら死票にしたくない」という心理が働きます。選挙とはそういうものです。そもそも、両氏に関して言えば、原発以外の政策は大きく違います。一本化のアイディア自体、ナンセンスです。要は、有権者のプライオリティの問題です。
逆に心配なのは、舛添氏と田母神氏間での票割れかもしれません。実際、安倍首相の政策に近いのは田母神氏です。多くの自民党支持者はむしろ、田母神氏を応援するべきだと発言しています。実際、2月2日の街頭演説で安倍首相が舛添氏を応援した後、安倍氏のFacebookのコメント欄は炎上しました。多くは、「なぜ、田母神を見捨てて、舛添を応援するんだ~」というものでした。
ここに来て、メディアの生存本能は、少しずつ東京都知事選挙に関する報道を始めています。それは、政府・与党にとっては困ることです。そこで出たのがウルトラC?
橋本大阪市長の辞任&出直し選挙。もともと人的交流があった安倍首相が橋本市長に電話して「メディアと国民(都民)の関心を都知事選挙から反らすために、一芝居打ってくれないか」と頼んだのではないか、そんな妄想を楽しんでいる私です。
ここに来て、日経平均株価の急落と急激な円高傾向。もちろん原因は米国に関係する部分が大きいのですが、消費税増税を前にしたこの段階でのアベノミクスの崩壊という絵図すらも、まんざら絵空事ではなくなっています。新たに導入された投資減税制度により、100万円までの株式投資を始めた方も多いようですが、2014年に入ってからの株価暴落によって、「投資家デビュー~! の数日後には、退場せざるをえなくなった」方もいらっしゃるとか。ここでも、個人がいいように使われています。「売りから入る」初心者は考えにくいので(笑)。
私は、小泉信者ではないが、彼の街頭演説で、これは分かりやすいな~と感じたセリフがあります。
原子力発電所は今日ストップしても廃炉まで50年以上かかるんだ。つまり、私たち世代だけでなく、子供世代、これから生まれてくる世代にも影響する話だ。彼らにどんな日本を残すのかという選択だ。今回の選挙は、若い世代が自分たちの未来を決める選挙だ。
これは、事実だと感じたところです。
3.11当日。東京では停電、断水が発生し多くの外国人は帰国しました。あと少し被害が拡大すれば都民だって避難していたかもしれないのですから、決して、他人事ではないということだけは知っておきたいと考えているところです。
すみません、想定外の長さになってしまいました。
佐藤
2014年2月5日
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※2月のピロートーク掲載予定記事ですが、先行掲載させていただきました。
2014年東京都知事選挙は間もなく第四コーナーに差し掛かりつつあります。最後の日曜日となった2月2日(日)夕方のニュース報道からひとつの変化を感じています。TVでオンエアされる選挙報道映像において細川・小泉のW元首相の映像が音声と共に映し出されたことです。告示以来、徹底して都知事選挙に関する報道を控えて来た大手メディアにとっては明らかな変化でした。これはメディアとしての生存本能かもしれません。
当初、今回の都知事選挙は自民・公明(あえて政府・与党と呼んでもよいのでしょう)が推薦する舛添候補が圧勝する予定でした。少なくとも、“老人よ大志を抱け”の小泉氏が応援する細川氏が立候補するまでは。そして、ここから政府・与党と、そこから繋がる利権に群がる大手メディアや一部団体による情報操作が始まりました。
最初は大手新聞3紙共同による選挙動向調査なるものが公開されました。これは告示と前後した時期に実施されたとされます。もちろん、舛添候補圧勝です。日本人の特性として、「勝ち馬に乗る」、あるいは「どうせ勝負がついているなら、わざわざ投票する必要もないか」という心理を意識したものであることは明らかです。投票率が低ければ組織票をベースとする舛添候補が圧勝することは明らかです。また、投票する人も、どうせ投票するなら自分の票を死票にはしたくないから勝ちそうな候補に投票する、そういうものです。この時、大手メディアは都知事選挙の報道を控えるようになります。実際、告示後の5日間程、注意していたがニュースで都知事選挙を取り上げるシーンはほとんどありませんでした。以前、森元首相が「若い人には(投票に行かず)寝ていて欲しい」と発言して問題になったことがありますが、これは正直な発言です。ちなみに、大手新聞3社共同による調査という行為自体が異常です。聞いたことがありません。
さらに、“都知事選挙を加熱させたくない、いや冷却したい”という目的のための情報操作が続きます。メディア各社には政府関連機関からご丁寧に文書によって報道規制(建前は要望書ですが)が行われます。細川・小泉両氏の映像は使わない、音声はご法度・・などなど。さらには、原発廃止を訴える大学教授は、原発の話題を持ち出すなら出演はお断りするとNHKから警告され、結果、NHKへの出演を拒否される始末。
もちろん、原発の話題を報道することはNG中のNGです。多くの有権者が気が付いていることですが、今回の東京都知事選挙において主要政策については正直、誰が当選してもその実行内容には大きな違いはありません。誰だって、2020年東京オリンピック・パラリンピックは成功させようとするし、待機児童減少のために手を打つでしょう。高齢化問題は解決しなければならないし、防災・減災対策、経済活性化に取り組むことは当たり前です。大きな違い、決定的な違いは、現在ほとんど稼働していない原発(現在、既に脱原発状態)を次々に再稼働させるか、今の状態のままゼロにするかという判断を迫る点だけなのです。これを、安倍VS小泉という図式で見るかどうかは別として、ここだけが明確な争点であることは明らかです。それは舛添圧勝でなければ困る方々にとっては問題ことです。争点そのものをマスクしたいわけです。
ネガティブキャンペーンについてもそれなり行われました。最初のネタは20年前の佐川急便事件。猪瀬前東京都知事が5000万円貰って辞職したのに1億円の細川氏が立候補するのは納得できないというものでした。しかし、この点にについては当時、佐川急便事件を追求した元自民党衆議院議員が「あれは政権復帰を狙う自民党が行ったでっち上げだ」と暴露したことで一気に収束してしまいました。それ以降、このネタはおろか細川氏に関するネガティブキャンペーンは行われていません。逆に、時期を同じくして舛添候補に関する「政党助成金など2億5千万円不正流用事案」が浮上します。しかし、この話題については、大手メディアは全く報道していません。ネットユーザーでない層の中には、この話題そのものを知らない方々も多数存在しています。もちろん遊説中に発した多くの失言についても蓋をするだけです。
最後の日曜日を前にして、再び大手メディアの投票動向調査が発表されました。ここでも、“舛添候補圧勝”でした。しかし、この時点で、多くの有権者が違和感を感じていました。それは例えば選挙の街宣車の周囲の光景にも見て取れます。舛添候補の演説を聞く有権者の数、状態と細川候補のそれは全く違うのです。明らかに後者の方が人数も多いし真剣に聞いている人が集まっています。その傾向は宇都宮候補と舛添候補の対比でも見てとれます。大手メディアが報道しないからその情報をインターネット上に求めると、その傾向はもっと明らかです。「高齢者はネットを使わないから」という反論があるでしょう。しかし、街宣車の周りに集まって真剣に演説を聞いているのは中高年と高齢者なのです。その実態は、複数の場所で私は何度も見ました。この時点で、“細川1位、舛添2位”という調査結果を発表したのは自民党が行った投票動向調査でした。これは、いわゆる組織引き締めのための数字だと考えられますが、まんざら、そうでもないのではないかと感じるような街頭の状況でした。
この頃から、「報道されている投票結果予想は本当なのか?」という発言が、あちらこちらで聞かれるようになります。そんな中で、2月2日の日曜日を迎えました。この日は、歩行者天国が行われる銀座4丁目交差点に主要候補が集まるということで注目されていました。実際、午前中から宇都宮候補、田母神候補などが選挙活動を行いました。14時からは安倍首相と公明党党首が舛添候補の応援演説を行い、15時30分からは細川・小泉氏による演説が予定されていました。私は、その日、早目にジムワークを終わらせ、13:59分に銀座に到着しました。既に多くの有権者が集まっていました。
この日の様子は多くの方が発言しているので、ここでの記載は省略しますが、明らかに安倍首相の求心力が落ちていることを実感しました。もっとも、彼の演説に力が入っていない理由は、「本当は舛添氏を応援したいわけじゃない」という本音があったからかもしれません。一国の総理大臣がライブで演説しているのに、多くの方々は、ただの通行人 になっていたのですから。
さて、当日夕方のニュース。久しぶりに東京都知事選挙の報道がオンエアされました。「主要候補が最後の日曜日に支援を訴えました」という内容です。この時、冒頭で書いたように、初めて、主要候補の映像と音声が流れたわけです。さらに、舛添氏に関しては安倍首相と公明党党首の応援演説の様子が、細川候補については小泉元首相の様子が同時にオンエアされました。
ただし、この日のオンエアにも、情報操作が認められましたが・・・・(笑)。その内容は、次のとおりです。当日の私の音声メモから。
<引用の開始>
2月2日(日)夕方の某キー局のニュースで都知事選挙の様子が報道されていました。それは銀座四丁目の街宣場面です。「午後2時頃の銀座四丁目の様子です」としてヘリからの空撮で多くの聴衆を映し出しました。その後、舛添候補と党首2名の3ショットがオンエアされました。
私が銀座に到着したのは13:59。私の記憶と聴覚に間違いがなければ、その時間、ヘリは飛んでいませんでした(間違っていたらゴメンナサイ)。私が複数のヘリの音を聞いたのは、15:35~15:45の頃です。ちょうど、次の候補の演説が始まった頃でした。
「ヘリの音かうるさいくらいだな、演説が聞こえないな」と感じたからよく覚えています。てっきり、妨害かと思ったくらですから(笑)。実際、その時間帯の聴衆は、14時のそれより多かったですから、映像としてはよりインパクトがあったと思います。
そのことを、あーだこーだと言い気はないのですが、事実関係として疑問に思ったので、記録しておくことにしました。そうそう、初めて、「組織の動員」を目の当たりにしました。私のとなりに中年男女の6人組がいました。舛添候補の演説が終わると、ひとりの男性が一言。
「おつかれさまでした」「もう帰ってもいいんですよね」・・・。このグループは14時からの約1時間強、選挙とは関係ない話で盛り上がっていました。舛添候補スタッフが差し出すチラシにも、「あ、要らない、要らない」。これでも、6票なんですよね。組織票とはそういうものです。
<引用の終わり>
さて、この記事の冒頭、「メディアの生存本能」と申しあげました。それは、さすがに現時点に至って、「舛添圧勝」という情報を流し続けることには無理があるということで微妙にスタンスを変えているのではないでしょうか。この文章はフィクションですから(笑)、ここからはかなり筆者の主観が入ってまいります。ちなみに、ここまでは、事実のみを淡々と書いて来ました。生存本能とはすなわち、「メディアは公平に情報を発信しておりました」という逃げ道を用意し始めたということです。
実際、日曜日の夕方のニュースでは解説員が、「現時点で舛添候補がリードしていることは報道されているとおりでしょう。しかし、まだ一週間ありますから、この後、どう転ぶか分かりません」と付け加えました。これが生存本能です。
動員された組織票によって組織の意向に従って投票する一票が一票なら、考えに考え抜いて投票した個人の一票も一票です。当たり前のことですが、大切なことです。どうせ使うなら、インパクトのある一票にしたいと考えるのが普通の発想なのだと思います。
それにしても、選挙活動が始まると同時に情報発信を抑えると言う報道姿勢はどうなのでしょうか。有権者はむしろ、告示以降は選挙の話題を多く取り上げて欲しいと考えているのではないでしょうか。芸能人の結婚やスキャンダルを伝える時間があるなら、もっと、選挙の話題を、投票判断に使える話題を取り上げて欲しいと考えます。事実を報道するだけがメディアの仕事ではなく、意見を言っても良いはずです。実際、米国のメディアなんかは、明確に旗印を示しています。
そう考えると、インターネット選挙が解禁されていて良かったですよね。従来型の選挙だったら、多くの有権者は情報を得る手段さえ持っていなかったことになります。おかげで、自分から動けば、いろいろな事実を知ることができます。
2020年東京オリンピック・パラリンピックを招致するためのプレゼン資料の中には、「東京は原発ゼロのエネルギーによってオリンピック・パラリンピックを成功させます」と書いてあります。この時の招致チームのリーダーは森元首相です。ご存じのように、細川氏が原発ゼロでの開催を発言した時に、「原発無しでの運営なんかできるはずがない」と発言しました。その後、過去の映像とともに、最初の発言が報道され、矛盾を指摘されると、それ以降、「原発無しでのオリンピック・パラリンピックの開催は無理だ」という発言はしなくなりました。どうやら、ご自身の発言を思い出したらしいのです(笑)。
原発推進派の候補を応援する議員が、こんな発言をしました。「原発のゴミは問題だという人がいるが、2000年、3000年経過すれば、確実に放射能は減っていくんです。だから、大丈夫なんです」と。しかし、私は単純に疑問を持ちます。2000年後には、他のエネルギーが実用化されているはずだと・・・(*^_^*)。
さらに、脱原発(本来、そんな甘いものではなく、命の選択だと思うのだが)を訴える宇都宮候補と細川候補で票が割れることを心配する向きもあるが、それは不要なものだと考えます。選挙終盤、情勢が決まってくれば、「どうせ投票するなら死票にしたくない」という心理が働きます。選挙とはそういうものです。そもそも、両氏に関して言えば、原発以外の政策は大きく違います。一本化のアイディア自体、ナンセンスです。要は、有権者のプライオリティの問題です。
逆に心配なのは、舛添氏と田母神氏間での票割れかもしれません。実際、安倍首相の政策に近いのは田母神氏です。多くの自民党支持者はむしろ、田母神氏を応援するべきだと発言しています。実際、2月2日の街頭演説で安倍首相が舛添氏を応援した後、安倍氏のFacebookのコメント欄は炎上しました。多くは、「なぜ、田母神を見捨てて、舛添を応援するんだ~」というものでした。
ここに来て、メディアの生存本能は、少しずつ東京都知事選挙に関する報道を始めています。それは、政府・与党にとっては困ることです。そこで出たのがウルトラC?
橋本大阪市長の辞任&出直し選挙。もともと人的交流があった安倍首相が橋本市長に電話して「メディアと国民(都民)の関心を都知事選挙から反らすために、一芝居打ってくれないか」と頼んだのではないか、そんな妄想を楽しんでいる私です。
ここに来て、日経平均株価の急落と急激な円高傾向。もちろん原因は米国に関係する部分が大きいのですが、消費税増税を前にしたこの段階でのアベノミクスの崩壊という絵図すらも、まんざら絵空事ではなくなっています。新たに導入された投資減税制度により、100万円までの株式投資を始めた方も多いようですが、2014年に入ってからの株価暴落によって、「投資家デビュー~! の数日後には、退場せざるをえなくなった」方もいらっしゃるとか。ここでも、個人がいいように使われています。「売りから入る」初心者は考えにくいので(笑)。
私は、小泉信者ではないが、彼の街頭演説で、これは分かりやすいな~と感じたセリフがあります。
原子力発電所は今日ストップしても廃炉まで50年以上かかるんだ。つまり、私たち世代だけでなく、子供世代、これから生まれてくる世代にも影響する話だ。彼らにどんな日本を残すのかという選択だ。今回の選挙は、若い世代が自分たちの未来を決める選挙だ。
これは、事実だと感じたところです。
3.11当日。東京では停電、断水が発生し多くの外国人は帰国しました。あと少し被害が拡大すれば都民だって避難していたかもしれないのですから、決して、他人事ではないということだけは知っておきたいと考えているところです。
すみません、想定外の長さになってしまいました。
佐藤
2014年2月5日
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