★舐められたものです

★舐められたものです

　韓国の高等裁判所が驚きの判決を下しました。
　靖国神社に放火した後、日本を脱出し、韓国で身柄を拘束されていた中国人容疑者に関し、その身柄を中国に戻すという判決を言い渡したという事実は、驚きをもって受け止められました。少なくとも、私には。放火の事実については、本人も認めていることに加えて、日韓の間には、犯罪人引渡条約が締結されています。したがって、普通に処理されれば、中国人容疑者は日本に送還されて、日本の法律に基づいて裁かれることになるはずでした。

　しかし、犯罪人引渡条約に定める唯一の例外、すなわち、政治犯を除くという部分を適用して、韓国政府は、当該容疑者の日本への身柄引き渡しを拒否したことになります。これは、明らかに、後付けの理由です。まず、中国への身柄返還があったと考えるのが普通です。ここにも、米中関係同様、アジアにおける中国の存在感を見ることができます。

　そもそも、政治犯とは、時の政権に逆行するような政治活動を禁止し、それを犯罪と認定するというシステムの下にのみ存在します。ご承知のように、今の日本で、政府を批判したからと言って逮捕・起訴されることはありません。ですから、日本国内においては、政治犯というものは存在しないわけです。ところが、韓国高等裁判所の判決は、中国人容疑者を、日本国内における政治犯だと認定し、それを理由にして、日本への身柄送還を拒否したわけです。中国人が日本国内で行った犯罪を韓国の裁判所が裁き、そして、その結果が政治犯・・・、意味不明です(笑)。韓国において、その裁判結果に対して政府の意向が反映されているとするならば、その点については後進国だと言わざるをえません。

　靖国の思想・存在する背景に反対したことを犯罪として認定しているわけではありません。放火したことを犯罪だとしているわけです。国会前でデモをしても処罰されませんが、国会内に火炎瓶を投げ入れたら、それは犯罪です。同じことです。

　日本も、舐められたものです。

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